葛西水再生センターほか3か所 工業計器設備改良・補修工事(東京都)

工期:令和6年3月5日~令和7年2月4日
発注者:東京都下水道局 東部第二下水道事務所

本工事は、東京都下水道局が管理する葛西水再生センターおよび新小岩、西小松川、東小松川の各ポンプ所において、老朽化した工業計器設備の機能更新および補修を行い、揚水・水処理・汚泥処理に関する監視・制御機能の向上を図るものです。

改良工事では、複数の施設に設置された投込式水位計を最新機器へ更新します。たとえば、西小松川・東小松川ポンプ所では、流入渠およびポンプ井に設置された水位計計6台を取り替え、いずれもSUS316製のセンサ・中継箱・変換器・専用ケーブルなどを新設します。これらは汚水や雨水の水位を正確に測定し、ポンプ制御や越流水監視の基礎データとなる重要な計装機器です。
葛西水再生センターでは、口径250mmの電磁流量計を用いて、余剰汚泥移送量の計測を行う計装系の更新が行われます。さらに、新小岩・西小松川ポンプ所では、硫化水素の濃度を常時監視する定電位電解式ガス濃度計を更新。これにより悪臭対策や作業者の安全管理も強化されます。
また、葛西水再生センターの自動計測室に設置されている冷蔵機能付きの自動採水器も更新対象となっており、ベリスタリックポンプ方式の新型機器を設置し、流入水・放流水・沈殿処理水の採水業務を効率化します。
補修工事では、葛西水再生センター内の電磁流量計(ベルト濃縮機分離液流量および汚泥移送量)や、焼却炉5号煙突入口に設置されたHCl(塩化水素)濃度計の部品交換を実施。加熱サンプリングプローブやサンプリングチューブなどの付属機器も含めて更新され、測定精度の維持と安定運転が図られます。
施工にあたっては、すべての施設が稼働中であることから、既設機器への損傷を防ぎつつ、機能停止を最小限に抑えるよう緻密な工程管理が求められます。特に、狭小空間や地下フロアに設置された機器の取り替え作業では、安全対策と保守性への配慮が重要視されています。
本工事は、処理施設の安定運用と監視精度の向上を同時に実現する、きわめて実務的かつ技術的な要素を多く含んだ計装設備の更新・補修工事です。